「定番」を捨て、「真逆」を走って話題を集めたジム開業話。
パーソナルトレーニングジムだけでなく、新しく店舗を作る時は非常に心が躍る時ではないでしょうか?
どんなお店にするのか?機材の配置は?内装や外装にも拘りたいがどうするか?自分のお店を作る、当時のワクワク感は今でも忘れません。
もちろん場合によってはコンサルの方がついたり、他のオーナーさんやデザイナーさんによって店舗内容や機材なども決められることも多く、自分は一切手を付けずに店舗を任されることもあると思います。
しかし初めて開業するのであれば、ほとんどの方が自分で物件を選び、機材の選定はじめお店のブランドを作るのではないでしょうか?
その時間はまさに自分が夢見ていた店舗を作っている最中で、非常に楽しみに溢れる時間になるかと思います。
非常に楽しい時間でもありますが、もちろん楽しいだけではビジネス展開になりません。
そこにはお客様に来店してもらうためのきっかけや、しっかり店舗運営していくたの戦略があります。
開業前にどれだけたくさんの戦略が練られたか、準備をしてきたかは開業後の業績に大きく関わって来ます。
拘りとブランディング
僕は幸いにもこのジム開業にかける時間がかなり多く設けることができたことから、ジム開業初月から売上を上げることができました。
3ヶ月目には「月間売上100万達成ジム」として話題を呼ぶことができたのです。この数字を達成することができた理由を、僕はこう予想します。
・ジムを知ってもらうことに全力投球した。
・当時の流行と全くの真逆のコンセプトをたてた。
カウンセリング内容やパーソナルトレーニングの中身のエクササイズ提案など全てに拘ったのは当然です。
しかし、一番最初のステージとしてジムを知ってもらう、ジムを作るという段階があり、そのための拘り、ブランディングをまず設定する必要があったのです。
今回はここに注目してお話していきたいと思います。
「定番」ではなく「真逆」を走る。
それぞれの業界には流行や定番があります。
それらを取り入れ、展開していくのも非常に良い戦略でもありますし、成功例を参考にするということで僕としても安心感もありました。
果たしてこのような方法で、埋もれないだろうか?
他にも大きなジムや綺麗なジム、在籍しているパーソナルトレーナーが有名、いろんなジムがある中で、僕がつくるジムなんて皆見てくれないのではないか?
そのようなジムを参考に展開しても良いのだろうか?
開業する時、誰しも当然のように廃業しないように戦略を練ります。
そのたびに成功例ばかり目がいき、本来の自分のやりたかったことを忘れてしまいます。
自分が伝えたかったのは何なのか?それよりも、どうしたら廃業せずに生き残っていけるか?という思考になるからです。
しかし過剰な「前にならえ」はブランドを殺し、逆に廃業に導くことにもなります。そのため、他のジムや業界人が「どうして?」と思ってしまうような差別化に出ました。
①飲み屋街として知られる地域にジムを作った。
②ジムの名前を英語やカタカナではなく漢字にした。
③当時大流行していたダイエット法の真逆のアプローチをした。
他にもたくさんありますが、今回はこの三点について簡単にお話します。
①飲み屋街として知られる地域にジムを作った。
「飲み屋街にジムを建ててどうするんだ笑」何度も言われたこの言葉が本当に大きなヒントになりました。
「ジムは運動する場所、ここは飲み食いする場所」こういった理由からジムを作っても誰も来ないと思われていたのか、僕のジムの近辺には本当にジムが少なかったのです。
しかし僕はこの考えには疑問を持っていて、らしくない場所にジムがあっても良いのではないか?と思っていました。
飲み屋街にもたくさんの人が住んでいて、近くにジムがあるという便利さを感じたことがなかったのなら、僕はその人たちの役に立てると思ったのです。
開業して間もなく、意外な場所にできた僕のジムは、近所にお住まいのお客様で予約を埋めることができました。
②ジムの名前を英語やカタカナではなく日本語にした。
ジムの名前は英語じゃなければいけないという決まりはもちろんありません。
しかし僕も当時は自然にアルファベットの名前を何個もリストにあげ、考えてました。
「これはこういうものだ」というように、当たり前のようにレールに乗って物事考えるのもユーモアがないと思い、日本人なら大体の方に理解してもらえる名前をつけました。
看板を見ただけでメッセージが伝わるように、そして覚えてもらえるように、馴染みのある日本語で作りました。
「あの珍しい名前のジムでしょ?」という声がすごく嬉しかったのを覚えてます。
③当時大流行していたダイエット法の真逆のアプローチをした。
パーソナルトレーニングというビジネスを日本に広めたのは、間違いなくライザップさんではないでしょうか?
当時マンツーマンの運動指導で劇的に体を変えるというモデルは大流行しており、僕もその中でデビューした一人のパーソナルトレーナーだということは自覚しています。
そしてこの時、「糖質制限」が爆発的な話題を呼び、ダイエット=糖質制限というイメージは確実に日本中に拡散されていました。
糖質制限が良い悪いは置いておいて、僕は「食べましょう!」とHPのトップ画像に貼り付けました。
短期的な結果にはコミットできませんが、食べながらでも体作りはできますよ。
信じられないような顔をしながらも興味を持って僕の話を聞いてくれた方のほとんどのお客様が成約、接待の多い役職の方々やホステスの方々の中で「食べても良いジム」と口コミも広がりました。
まとめ
「真逆」を走れば差別化ができるというわけではありません。
そこには「意外性」とそこに真を通す「理由」があります。
誰もやっていないこと、ではなくて誰もやっていないけど納得できる理由がある、それが必要とされる差別化だと思います。
現在、ジム開業やパーソナルトレーナーとして活動するための支援活動をしていますが、
①自分の伝えたいことは何か?
②それを伝えるために、知らずに他人のレールに乗っていないか?
③オリジナルな戦略が本当に誰かのためになるか?
ここに重点を置いてお話してるとともに、僕自身も気を付けながらジム経営しているポイントです。
ブランディングといっても定義は難しく、業界内のリサーチなくては成り立ちません。今後も僕も頑張り続けなければなりません。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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